2009年7月よりWiMAXの正式サービスが開始されたが、契約者数は思ったほど伸びていない。2.5GHz帯の無線周波数免許をめぐりソフトバンク、KDDI、ドコモ、ウィルコムの4事業者が争奪戦をして、UQとウィルコムに軍配があがった。3.9世代までのつなぎとして2社がサービスを始めたが、契約者数が伸びないのはどうしてなのでしょうか?2009年10月からXGPサービスをする予定だったウイルコムは会社更生法を申請した。
WiMAXが苦戦している理由
- つながらない
2.5GH帯は電波の直進性が強いため、ビル陰があると電波が届きにくい。山手線内でも障害物があると途切れたりして不安定になる。1GHz未満のプラチナラインを使えば解決するのだろうが、テレビ局に一番おいしい帯域をふさがれている。ビル内でも窓際なら快適に通信できるが奥の方に電波が届かなくなる。
UQは2012年度までに全国人口カバー率90%超をめざすとしているが、契約者数が伸びないとどこまで実現可能か不透明になってきた。総務省は2.5GHz帯の免許条件に「既存携帯電話事業者の出資は3分の1以下」という制限を設けたため、KDDIも自社か完全子会社によるサービス提供をすることができない。 - イーモバイルなどの2年継続利用の縛り
イーモバイルは契約すると100円でネットブックなどを購入することができる。ただし条件として2年間使わないと違約金を払って解約することになる。2年継続使用の縛りがあるためネットワーク好きの人もなかなかWiMAXに移行できない。WiMAXはインフラだけを提供する水平分業型モデルであり、100円パソコンによる販売などは考えていないようです。
WiMAXが普及するかぎは?
- MVNO(仮想移動体事業者サービス)
MVNOとは、無線通信インフラを他社から借り受けてサービスを提供する事業者のこと。無線通信の免許を受けられるのは国ごとに3~4社程度しかないが、免許を受けた事業者の設備を利用し、免許のない事業者も無線通信サービスを提供することが可能になる。
ニフティとビッグローブがMiMAXに対応したサービスを開始しているが目新しいサービスではない。携帯の3G回線とWiMAXを切り替えながら接続するサービスも行われているが、これも決定打になりそうもない。 - 広告
電車広告などでは固定の中吊り広告や壁面に貼り付けた広告が今だに主流。広告一つ一つにWiMAXモデュールを装着して、時間により内容が変わっていく。ひとつの広告も何社かでシェアして広告単価を下げれば不況でも広告を出す企業が出るかもしれない。
いずれにしてもWiMAXが爆発的に普及することは難しい状況になってきたことは確か。