ひかり電話は専用のVoIPアダプターがNTTから送られてきます。沖電気製の「RT200KI」を使っていて、ルーターとしての機能も備えています。そのままルーターとして使うことも可能ですが、元々使っているルーターを使いたい場合もあるかもしれません。YAMAHAのRT57iをルーターとして使いたい時の設定方法を考えてみることにします。
目次
RT200KIとRT57iの接続方法
ブリッジ接続
RT200KIをVoIPアダプター使うならブリッジ接続します。
この場合はONU(ひかり終末端子)—(WAN端子)RT200KI(LAN端子)—(WAN端子)RT57i(LAN端子)—PCのように接続します。NTTはブリッジ接続を推奨しています。
HUBを使う方法
PCと同じセグメントにするためには
ひかり回線をいったんHub分配してしまい、また別のHubを使って合流させる。合流させるのは同じセグメントになるため再設定などが配下のPCで行えるからです。頻繁に設定を変える必要がなければ合流させる必要はありません。
HUB分けした時のメリット
- 電源をONにしたときのRT200KIとRT57iの起動時間の違いを気にしなくてよくなる
➡RT57iの方がRT200KIより起動時間が速い - RT200KIの再起動の影響を受けない
➡HUB分けするとRT57iが影響を受けないので、RT57iによるインターネットやグループアクセスが途中で切れてしまうのも防ぐことができます。
Bフレッツはもともと2セッション接続できるので、RT200KIをルーターとして機能させれば、オンラインゲームはRT200KI経由、通常のインターネット接続はRT57iといった使い分けも可能。ただしこの場合はプロバイダ契約が2つ必要になります。
RT200KIをSIPサーバー RT57iをSIPクライアントとして登録
初期IPアドレスのセグメントが違うので揃えておきましょう
- RT200KI(192.168.1.1)➡192.168.100.2に変更
- RT57i(192.168.100.1)
RT57iをRT200KIの内線子機のような設定にすると、電話とFAXをひかり電話とISDNとIP電話(内線VoIP)で使い分けることが可能になります。
RT57iの設定
アナログ1に電話 アナログ2にFAXをつなぐ
VoIPの基本設定
電話の設定>VoIPの設定>VoIPの基本設定
VoIP機能:使用するに設定→これ意外と忘れていることが多い
●TEL1ポートの設定(電話機を接続するポート)
・電話ユーザ名を3に設定→IP端末1の内線番号3と同じにする
※RT57iの電話ユーザ名とRT200KIのIP端末1の内線番号が一致すればよい
RT200KI
アナログ1が内線番号1
アナログ2が内線番号2
IP端末1が内線番号3→端末1にRT57iをぶら下げるので
内線番号すなわちユーザ名は3となる
・着信許可を[電話ユーザ名が一致した場合に許可]に設定
●TEL2ポートの設定(FAXを接続するポート)
・電話ユーザ名を4に設定→IP端末2の内線番号4と同じにする
・着信許可を[電話ユーザ名が一致した場合に許可]に設定
●発信時のプレフィックス(識別番号)設定
設定変更できるので一番使う回線を直接発信にすると便利。
たとえば
ひかり電話からの発信は直接
ISDNからの発信は9#
IP電話からの発信は##
電話の設定>VoIPの設定>IP電話サーバの設定
ここでRT57iをRT200KI(SIPサーバ)の子機として作動するように設定
・sipアドレス 3@192.168.100.2 3がRT200KIの内線番号3になります
・サーバアドレス 192.168.100.2 →RT200KIのLANアドレス
・sip-session-timer チェックを入れない
・ユーザID 0003 内線番号3のID
・パスワード ****** さらにIP電話サーバを追加する
IPサーバ2として登録される
・sipアドレス 4@192.168.100.2 4がRT200KIの内線番号4になります
・サーバアドレス 192.168.100.2 →RT200KIのLANアドレス
・sip-session-timer チェックを入れない
・ユーザID 0004 内線番号4のID
・パスワード ****** 内線電話設定
IP端末1が内線3に相当
IP端末2が内線4
IP端末3が内線5
IP端末4が内線6
IP端末5が内線7
内線番号3から7にSIP登録できます。
IP端末1に電話
IP端末2にFAXを登録するとします。
●IP端末1の設定
内線番号 3 →もともと入力されている
端末属性 IP端末(音声)を選択する
パスワード RT57iで設定した同じパスワードを2回入力
※初期パスワードは RT-200KIのMACアドレス+内線番号(3なら 03)
●IP端末2の設定
内線番号 4 →もともと入力されている
端末属性 IP端末(音声)を選択する
パスワード RT57iで設定した同じパスワードを2回入力
※初期パスワードは RT-200KIのMACアドレス+内線番号(4なら 04)
再起動(確認→送信→反映)してRT200KIの内線番号設定画面中内線番号3と内線番号4の項目で登録状態が登録済みとなればOKです。未登録の場合はRT57iの設定でIP電話サーバの設定に戻り、パスワードなどを入れ直します。RT200KIの設定画面をみると登録済みになっているはずです。
発信はこれですべてOKとなるはずです。
着信はアナログポートの名前が3、アナログポートの名前が4なのでIP電話(050番号)からの着信を受けられなくなります。すべて許可にするとアナログ2にFAXをつないでいるので電話をかけたときFAXにつながってしまう。VoIP内線なら相手方のRT57iのインターネット電話帳に3@192.168.100.1を内線TELに登録 4@192.168.100.1を内線FAXに登録することによりひかり電話、ISDN、内線VoIP電話すべてうまく着信ができるようになります。インターネット電話帳登録の@のあとのアドレスはRT57iのアドレスです。RT200KIのアドレスを入れないように!IP電話(050番号)の着信をさせたい場合はFAXの受信をあきらめるしかないようです。この場合は着信サービスを[すべて許可]に設定します。
RT57iはもともとISDN用のルーターですが、RT58iはアナログ回線にも対応しています。RT58iの場合はONU–(WAN側)RT200KI(アナログ1)–(line端子)RT58i(アナログ1)–電話のような配線も可能かと思われますが、57iの接続にしたほうがAD変換、DA変換がなくなり音質も悪くならないようです。
ヤマハルーターのIP電話の設定の参考になる書籍は「ヤマハルータでつくるVPN&IP電話 ビキナーズガイド」(井上孝司著)がおすすめです。VPNを利用した内線VoIP、ヤマハ独自のネットボランチDNSでのインターネット電話、050のIP電話について詳しく解説されています。